シリーズ「あなたにもあるアイドル力」
第6回:学びのステージが動き出すとき
──教育とエンタメの交差点──
■教室は小さなステージ
黒板、机、そして仲間の視線──。
学校や講義室は、言ってみれば“日常のステージ”です。
そこに立つ瞬間、
人は自然と「どう伝えるか」「どう振る舞うか」を考えます。
この “見られる”体験 こそ、
「アイドル力」=「周囲を楽しく元気にする力」
を育てる第一歩です。
■原石を見つけ、磨き合うプロセス
• 発表を終えたあと、友人から「分かりやすかったよ」と声をかけてもらう
• イベントのダンス練習で、隣の人にタイミングをそっと教えてもらう
こうした小さな応援や気づきは、
「自分が誰かの役に立てた」という手応え を生み、
学びの意欲をさらに高めます。
まさに、アイドル力の“種”が発芽する瞬間です。
■“育成型プロジェクト”に見る学びとアイドル力
2020年のオーディション番組『Nizi Project』では、
練習生たちが細やかなフィードバックを受け、
仲間同士でもアドバイスを送り合いながらパフォーマンスを磨いていきました。
• 先生やメンターからの的確な指摘
• 同期からの「ここ、もっと良くなるよ」という励まし
この循環が、才能だけでなく
“周囲を元気にする存在感” を育てたのです。
教室にも似た関係性が生まれれば、
学びの場は一気に活性化します。
■博多ORIHIMEに学ぶ「学び→社会」への広がり
福岡を拠点に活動するご当地アイドル 博多ORIHIME には、
西日本短期大学メディア・プロモーション学科の卒業生、
松本かりんさんと、花岡あやかさんが在籍しています。
彼女たちは、授業で培った表現力を活かし、
教室で身につけた力を地域のステージで実践し、
地元のイベントや活動を楽しく元気にする存在となっています。
また、リーダーの 白石ありささん は、
TikTok で福岡の魅力を発信し、
フォロワー16万人を超える影響力を持つなど、
グループとしても地域とつながりながら活動の幅を広げています。
教室で培った表現力を社会の現場で活かす卒業生たち、
そして地域の魅力を発信するリーダーの存在。
博多ORIHIME は、そうした「アイドル力」を活かして
「地域を楽しく元気にする力」を体現している好例と言えるでしょう。
■学び合いこそ、最大のアイドル力育成法
1. 発表にフィードバック文化 を取り入れる
2. 役割交替型ワーク で誰もが“見られる側”になる
3. 小さな成功を仲間とシェア して称え合う
これらの仕組みは、知識だけでなく、
人を元気にする振る舞い を伸ばします。
教える人も、学ぶ人も、互いを“推し合う”文化が根づくとき、
教室は「アイドル力が循環する場」へと変わります。

■おわりに──学びの場から生まれる笑顔の連鎖
アイドル力は、きらびやかな衣装や大舞台だけに宿るものではありません。
誰かの成長を信じ、背中を押すひと言 が、
教室や職場の空気をやわらかく変えていきます。
学び合う喜びが連鎖するとき、そこには必ず
“周囲を楽しく元気にする力” が働いている──。
次にその力を広げるのは、あなたかもしれません。
■次回予告:歌声がつなぐ希望のバトン
第7回では、アイドルたちが社会に届けてきたエネルギーをテーマに、
復興支援やチャリティーライブ、心に残る楽曲の力を取り上げます。
「歌声がつなぐ希望のバトン」、どうぞお楽しみに。
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