奇跡は、幕を上げる意志に宿る。
Show must go on!
■ 卒業公演という名の「継承」
卒業を目前に控えた、
2年間の学びの集大成。
それが、
西日本短期大学メディア・プロモーション学科の
「卒業公演」です。
私がこの学科に着任した年に、
新しく立ち上げたイベント。
今年で6回目を迎えました。
入学から卒業までの日々を、
ひとつのストーリーへと編み上げる。
演劇、声優、ダンス、シンガー、
モデルウォーキング、そしてアイドル。
学科の多様な学びを凝縮した、
エンターテインメント・ショー。
6月から動き出した
学生の脚本・演出チームが、
半年かけて脚本を練り上げ、
自分たちで配役を決めていきます。
ここには、1年生も参加します。
先輩たちの背中を追い、
共にひとつの舞台を創りあげることで、
学科の精神が受け継がれていくのです。
■ 幾多の試練を越えて
しかし、今年の創作過程は、
例年以上に険しいものでした。
制作の中心である脚本・演出チームの、
予期せぬメンバーの入れ替わり。
脚本が完成したあとの、
出演予定だった学生の辞退。
その都度、配役をやり直し、
物語を崩さないように、
脚本を書き換える。
そんな事態が、何度も、
何度も繰り返されました。
練習に入ってからも、
なかなかメンバーが揃わない。
「本当に、幕は上がるのだろうか」
重い雲が垂れ込める瞬間もありました。
■ Show must go on!
けれど、学生たちは立ち止まりませんでした。
「Show must go on」
(ショーは何があっても最後まで続けなければならない)
その言葉を胸に、
学生たちは欠落を埋め合い、
前を見つめて走り抜けました。
その執念が、本番のステージで、
見事に結実したのです。
■ 時代の中で気づいた「エンタメの力」
終演後の挨拶で、リーダーの学生が、
語ってくれました。
困難の多い時代に生まれたからこそ、
誰かに元気や笑顔を与える、
「メディアやエンタメの力」が必要なのだと。
この2年間で、
そのことに気づけたのだと。
たまたまこの時代に出会い、
共に切磋琢磨した日々は、
「揺るぎない青春であり誇り」である。
その言葉には、
現場で格闘した者にしか宿らない、
確かな体温がありました。
■ 「。」に込めた、ふたつの想い
今回の公演のテーマは、
学科のオリジナル楽曲のタイトルでもある
『未来はきっと。』
この最後にある「。」には、
ふたつの想いが重なっています。
ひとつは、私の「祈り」です。
「未来はきっと明るい」
「未来はきっと夢がかなう」
一人ひとりの未来を全肯定したいという、
切なる願いです。
そしてもうひとつは、
学生たちの「強い決意」です。
どんな未来が待っていても、
ここで出会った仲間や、
支えてくださった皆様への感謝を忘れず、
一歩ずつ進んでいく。
その「。」を打つ責任を引き受けた者だけが、
次の物語を始める資格を得る。
まさにその決意の表明でした。
■ 新しい一行を書き始めるために
文章が一度終わるように、
今の自分にひとつの区切りを打ち、
そこから新しい一行を書き始める。
数々の試練を乗り越え、
自分たちの力で「。」を打ち終えた、
14期生の卒業生たち。
「皆様の未来も、私たちの未来も、
きっと光り輝くものでありますように」
最後に添えたこの願いは、
これからの人生を照らす、
確かな灯火になるはずです。
この激動の日々を共に駆け抜けた学生たち。
支えてくださったすべての方々に、
心からの感謝を捧げます。
私もまた、学生たちに負けない、
新しい一行を書き始めたいと思います。
未来は、きっと。
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